ハンドメイドイベントにおいて、その日に展示した作品をご購入いただくのは、作家さんにとって本当にありがたいことです。
作家さんによっては、心を込めて作ったハンドメイド作品を我が子のように思う方も少なくありません。
しばしば「(我が子である作品が)お嫁に行った!」という表現をされるのを耳にします。
それだけ1点1点に対する思い入れがたっぷりなんですね!
でも、ここではもう一歩踏み込んで、
売上UPのためのオーダー受注の重要性についてお話しますね。
しかし、光があれば影もあるのがオーダー品。
そのことについても併せてお話したいと思います。
ハンドメイドイベントにおけるオーダー受注とは
ハンドメイドイベントに出店を重ねていくと、お客様から「この作品の、ここをもうちょっと〇〇したモノって作れます?」という感じでお話いただくことが出てきます。
一例だと | |
---|---|
アクセサリー | 一部分のパーツの変更 |
布小物 | 同じカタチで柄違い バッグの内ポケット追加 |
洋服 | 同じデザインでサイズ違い |
ハンドメイドイベントでのオーダー品の受注とは、お客様がブースに置いてない作品をご注文くださることを言います。
オーダーを注文してくださるお客様は、「この作家さんになら任せてもいいかな!」と思っておられるということです。
ぜひ、その期待には応えたいところですよね。
ハンドメイドイベントでオーダーを受けるのは、出店者さんにとって醍醐味のひとつだと思います。手描きでいいでの「オーダー受付ます」のようなPOPをさり気なく掲示しておくと、お客様も「言っていいのかな?」とならずにすむので親切です。
ハンドメイドイベントにおけるオーダー受注のメリット
ハンドメイドイベントでオーダー品の注文を受けたときのメリットをお話します。
お客様と直接お話ができる
顔を突き合わせて注文内容をお聞きでき、その場で確認できるのは、お互いにとって安心です。
直接のお打合せは、その場でご要望をいろいろ聞き出せると同時に、そのお客様の言葉のニュアンスも感じ取ることができます。
どういう想いでオーダーしてくださったのかが知れたら、より一層作る気分も違ってくると思います。
お話している内容がマーケティングになる
お客様とオーダー品のお打合せをしていると、どういう要望があるのかに気づくことができます。
知り合いの作家さんは「お一人がご要望されるということは、その他にも同じ思いの方がいらっしゃるはず」との考えでオーダーのお打合せをされているそうです。
で、「これは!」と思ったご要望に出会うと、そのご要望と同じ作品をもう一つ作ります。
そのもう一つ作った作品は、次のハンドメイドイベントで並べておくと、手にとられる方がいらっしゃるそうです。
そこでお客様の反応を見て、改良を加えながら転用されていってます。
「お客様の反応を探る」の好例ですね。
お渡し日を次に出店予定のハンドメイドイベントに設定する
オーダー品を受注すると必ずお渡しする場面があります。郵送する方法もありますが、お支払い方法のこともあるので、次に出店予定のハンドメイドイベントに設定するという方法をおすすめします。
そうすることで、確実にもう一度来ていただけるので、さらなるコミュニケーションが図られます。
さらに新作がブースに並んでいたら、オーダー品のついで買いも期待できます。
売上UPに貢献してくれる
代金を前払いにするか、作品のお渡し日に受け取るかの差はありますが、オーダーを頂戴したという事実があるので、確実に売り上げに貢献してくれます。
ハンドメイドイベントにおけるオーダー受注のデメリット
ハンドメイドのオーダーにはメリットもあればデメリットもあります。
オーダーは「人対人」のやりとりで成り立つものなので、こじれると少々やっかいになるので注意が必要です。だからと言って、最初から「受け付けない」ではなく、社会人として培ってきた経験を基に普通に接客すれば大丈夫です。
オーダー逃げするお客様
オーダーしておきながら、受け取りに来られない方がときおりいらっしゃいます。
対策:代金の前払い、手付金をいただく、〇回までに受け取りに来なければ通常販売します等
仕様変更の多いお客様
必要以上に仕様の変更をメールされる方がいらっしゃいます。
多くの作家さんも多少のことは気持ちよく受けておられますが、製作途中でのお直しが余りにも多くなると疲弊してしまいます。
完成品をお見せしてからの手直しなら、まだ話が分かりやすかったりもしますが、作業途中での修正ほどややこしいものはありません。
これはハンドメイドに限らず、どんなお仕事でも途中で言われることほど、ややこしてく非効率なことはありません。
時間もなくなりますしね。
さらに言うと、仕様の変更が多すぎて最終的にご自身の作風とまったく違ったモノに仕上がることになりかねません。これでは本末転倒です。
これに関しては、優しい作家さんが多いので、どこまでをどうという線引きが難しいですが、どこかのポイントで止めなければならないと考えます。
対策:オーダー品は通常作品よりも割増価格(お直し代込)にしておく、ご要望は最初のお打合せのみとし、お直しがある場合は完成品を見てからにしてもらう等
無理な個数や期日を要求される
ハンドメイドイベントに出店されている多くの作家さんが、主婦であったり子育て中であったり、何か本業のお仕事を持たれていたりします。
そう、作家さんの普段は忙しいのです。
その合間を縫って作品づくりをされています。
さらにその時間を削ってオーダー品の製作をしています。
なので、物理的、時間的な限度があるので、ある程度の線引きは必要です。
ときたま「それを承知で作家活動しているんじゃないの?」的なことを言われるお客様もいらっしゃいますが、いくらお客様でも神様ではないので、作家さんの時間を「奪いすぎる」要望はアウトだと思います。
対策:受けてしまった分まではきっちりこなして以後はブロックする、1日に受けられる個数を決めておく、頭の中で計算した完成予定日よりも少し多めの日数を提案する
自分の作品を作るときより神経を使う
上記の事柄の対応だけみても、作家さんは疲れてしまいます。ですので、最初からオーダーを受けるにあたってのルールを決めておくことをおすすめします。
対策:事前にオーダー受注時のルールを決めておく等
※対策はあくまで「私だったら」の視点で考えた案です。ご自身にあった対応方法を考えてみてくださいね。
デメリットでモヤモヤしないために
先ほどもお話しましたが、「お客様はお客様であって、神様ではない」ということです。
もし、神様だったらややこしいことには発展しないはずです。
お客様には「ここのお店いいなぁ」や「あそこのお店は違うなぁ」「あっちのお店気になる」など、会場内を歩きながら常に取捨選択しています。
お客様にはお店を選ぶ権利があります。
しかし、逆もしかりです。
あなたのお店もお客様を選ぶ権利があります。
お店なのでもちろん誰でもウエルカムです。
ただその後、上記のデメリットのような状況が重なるお客様に出会うことがあれば、「人対人」としての判断はあっても良いと考えます。
ハンドメイドイベントの良いところは「お店対お客様」ではなく、「人対人」の出会いの場である点だと思います。
よりよい「人対人」の環境を作るには、「どんなご要望にもお応えし続けるだけ」でなく、「どんなご要望にもお応えし続けた上で最終判断をする」という選択肢を持ってください。
もちろんお客様とのお互いの気持ちの良いコミュニケーションがとれるオーダー受注は、楽しんで進めていきましょう!
オーダー受注の必需品:受注票
ハンドメイドイベントでオーダー受注をするとき必要なのが受注票です。
A4用紙で作成し、上2/3を受注票、下1/3をお客様へお渡しする控えとします。
必要な内容は下記のような要素になります。
(上2/3)受注票
- 受注日
- お客様の氏名
- 連絡先
- SNSアカウント
- お渡し日記入欄
- 郵送先(別のイベントでお渡しする場合は不要)
- オーダー内容記入欄
- 金額
- 備考欄
(下1/3)お客様控え
- お渡し日
- オーダー品の仕様
- 金額
- ショップ名、SNSアカウント(QRコード)
- 事前に決めておいたルールを箇条書きで(トラブル防止用)
これも出店を重ねる中で改良を加えていければOKです。一番最後の「ルール」はしっかり明記しておいてくださいね。今後のトラブルに巻き込まれないためにも!
受注票の一例を作成してみました。一度みてみてください。
楽しいオーダー受注にするために(まとめ)
お客様との楽しい関係を構築するためにも、しっかりとしたルールづくりはしましょう。
今回は作家さん側の視点からの表現が多くなりましたが、作家さんがトラブルの原因になることもあり得ます。
ですので、結局はお互い様なのかもしれませんが、だからこそルールはあってしかるべきだと思います。
オーダー受注は、お客様が認めてくださったからこそ成り立つものです。
きっと作家活動のテンションを上げてくれるものになるに違いありません。
出店になれてきたら、ぜひオーダー受注にもチャレンジしてみてくださいね!
初出店に向けた一連の流れをまとめています。
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