
初心者ハンドメイド作家さんから必ず聞かれる質問があります。
それは――
「イベント出店って結局いくらかかるんですか?」
SNSで活躍している先輩作家さんを見ると、「みんな簡単に出店しているように感じる」かもしれません。しかし、実際はみんな試行錯誤して、コストを抑えたり投資したりしながら育っていった方ばかりです。
この記事では、初めての出店にかかる“リアルなお金と時間”を徹底解説します。
この記事を読めば、初出店に必要な予算感がはっきりわかり、「何をどこにどれくらい投資すべきか」が判断できるようになります。
■初出店にかかる費用は全部でいくら?内訳をリアルに公開

初めてイベントに出る時、最も不安なのが「お金」。
なんとなく「1万円くらいかな?」と考える方も多いですが、実際はどんなディスプレイにするか、どれだけ作品を持っていくかによって大きく変わります。
ここでは、初心者さんが最低限揃える場合のリアルな金額を、実際の出店者が使用している平均値ベースで細かく紹介します。
●出店費用の平均は3,000〜10,000円
イベントによって幅があるものの、
- 小規模イベント:2,000〜4,000円
- 地域の人気イベント:4,000〜7,000円
- 商業施設イベント:7,000〜12,000円
出店費用だけでも比較的差があります。
“いいイベント=高い”ではなく、“集客力とマッチ度”を優先して選ぶのがポイントです。
●材料費は作品ジャンルで大きく変動
ハンドメイドはジャンルによって材料費が大きく変わります。
<例:アクセサリーの場合>
- 1作品あたり材料費:150〜350円
- イベント用に最低40〜80点制作しようとすると → 材料費6,000〜20,000円
<例:布小物の場合>
- 1作品あたり材料費:200〜500円
- 必要数:20〜40点 → 材料費4,000〜20,000円
初心者ほど“たくさん作らなきゃ!”と思いがちですが、
実際は「バリエーションより統一感」の方が売れやすく、結果的に材料費の節約にもつながります。
●ディスプレイ費用は0〜10,000円で調整可能
初心者さんが特に悩むのがディスプレイ費。
- 100均で揃えた簡易ディスプレイ → 1,000〜2,000円で十分可愛い
- 写真映えを意識したい → ラックやアクリル什器で5,000〜10,000円程度
Canvaで名刺や値札を作れば、印刷費含めてもコストを抑えられます。
先輩作家でも、最初は100均+自宅にある布でスタートした人も多いので安心してください。
●その他の雑費(交通費・駐車場・食費など)
見落としがちなコストがこちら。
- 交通費:500〜1,500円
- 駐車場代:400〜1,000円
- 昼食代:500〜1,000円
特に商業施設系イベントは駐車場代が高め。
出店費は安くても、雑費がかさむケースもあります。
\つまり…トータル費用は?/
初心者さんの平均は以下の通り:
| 項目 | 金額(目安) |
|---|---|
| 出店費 | 3,000〜7,000円 |
| 作品材料費 | 4,000〜20,000円 |
| ディスプレイ費 | 1,000〜10,000円 |
| 雑費 | 1,000〜3,000円 |
| 合計 | 9,000〜40,000円 |
“幅ありすぎ!”と感じたと思います。
本当にその通りで、ハンドメイドの出店費は**「どこまで準備にこだわるか」**で大きく変わります。
■時間はどれくらい必要?事前準備のリアルな工数
お金以上に重要なのが「準備にかかる時間」です。
これを読みながら「予想より時間が必要かも」と感じる方も多いはず。

●作品制作:20〜50時間
特に初出店のときは
「種類を揃える」「在庫を用意する」
という理由で時間がかかりがち。
本業がある人なら、1週間〜2週間は準備に使うイメージです。
●ディスプレイ準備:2〜5時間
- レイアウトを考える
- POPデザインを作る
- 値札を付ける
- 当日の陳列シミュレーション
これらに結構時間がかかります。
売れている作家さんほど、
“並べ方の研究”に多くの時間を使うのが特徴です。
●当日の拘束時間:6〜10時間
- 搬入:1時間前後
- 開催:5〜6時間
- 片付け:30分〜1時間
- 往復移動:30分〜1時間
イベント出店は、実質「半日〜丸1日」のイベントだと考えましょう。
■コストを抑えたい初心者がやるべき節約ポイント3選
なるべく安く、でも見栄えは良くしたい。
そんな初心者さんのために、成功率の高い節約方法を3つ紹介します。

●①ディスプレイは“買うより借りるor代用する”
- 家にある木箱やカゴを利用
- 本棚を倒して什器代わりに
- 友達から借りる
- 100均で最低限だけ買う
実際、出店3回目くらいで方向性が固まる人が多いので、最初から高額什器を買う必要はありません。
●②POPや値札は“Canvaテンプレート”を使う
Canvaを使えば
- 無料
- デザイン性の高い値札が作れる
- 統一したブランド感が出る
印刷もコンビニプリントでOK。
●③作品は“テーマを絞って少量精鋭”
ありがちな失敗は
“種類を作りすぎて材料費だけ高くなること”。
初心者さんは
**「色違い3種 × 2〜3デザイン」**くらいが最も売れやすく、材料費も抑えられます。
■実際いくら売れたら“赤字脱出”できるの?
せっかくなので、赤字ラインも具体計算してみます。
<例:総費用15,000円の場合>
- 作品単価:800円
- 利益率:60%(材料費300円程度)
→ 1作品あたりの利益:500円
→ 15,000円 ÷ 500円 = 30個売れれば黒字
イベントで30個売るのは、初心者だと難しく思うかもしれませんが、
「単価1,000円以上の作品を作る」「セット販売を活用する」ことで黒字ラインを下げられます。
■まとめ|出店コストは“投資×節約”のバランスが命

初出店に必要な費用と時間は
- 合計9,000〜40,000円
- 準備時間20〜50時間
という、思っていたより大きな数字だったかもしれません。
ですが、
必要なのは「どこにお金をかけるか」を見極めること。
✔ 作品のクオリティ
✔ お客様が手に取りやすいディスプレイ
✔ ブランド感が出る統一デザイン
この3つを最低限おさえれば、無駄な出費は減らしつつ、成果を最大化できます。
📣次回予告
Vol.3:売れるブースに共通する“ディスプレイの黄金ルール”
初心者でもプロ級に見せるレイアウトのコツを、具体例付きで徹底解説します!








