
「作品は良いはずなのに、なぜか足が止まらない…」
多くの初心者作家さんが感じる悩みのひとつが “レイアウト問題” です。
実は、売れているハンドメイド作家さんの多くが
心理学に基づいたレイアウトの仕組み を理解し、ブース作りに活かしています。
本記事では、今日から再現できる
「売れるレイアウトの心理学」 をわかりやすく解説します。
ハンドメイドイベントは“3秒勝負”。
その3秒で「気になる」「手に取ってみたい」を作る仕掛けを、一緒に身につけましょう。
■人は“見えるところから見る”
─ 認知心理学でつくる注目ポイント

お客様は、無意識に “見つけやすい場所” と “情報量の少ない場所” を最初に見ます。
これは「視覚的優位性」と呼ばれる心理で、
ブースの中で 最初に視界に入る場所が“印象のすべて” を決めるほど重要。
注目される黄金ポジションは?
- 目線の高さ(約120〜150cm)
- ブース左上(Zの法則)
- 一番明るい位置
- 空白が多い“余白ゾーン”
つまり、最初に見てもらいたい作品は
ブースの左上〜中央上段に配置するのが最強 です。
✔「なんとなく見られない」の正体
作品を“ど真ん中にギュッと詰める”作家さんが多いですが、それは逆効果。
視線の逃げ場がなく、スルーされてしまいます。
余白 = お客様への入口
と覚えておきましょう。
■人の動きには法則がある
─ 行動導線を意識したブース設計

ハンドメイドイベントの来場者は、感覚ではなく
「動きやすい方向」へ自然と流れる という特徴があります。
行動導線の基本は“右→左”の回遊
人は無意識に
右方向へ動きやすく、左側の商品へ手を伸ばしやすい。
(脳の利き手優位の影響)
そのため、
- ブース右側に“注目作品の案内POP”
- ブース左側に“実際に手に取ってもらいたい商品”
を配置すると、動線に合った自然な流れが作れます。
さらに滞在時間を伸ばすには?
- 中央に“視界を遮るもの”を置かない
- 選びやすい高さに作品を分散
- 触りたくなる「手が届く距離」で並べる
“立ち止まらせる”ではなく
“流れながら自然に見るようにする”
という考え方がとても大切です。
■「つい手に取る」の裏側
─ 購買心理を動かすレイアウト3つのコツ

人が手を伸ばす瞬間には、心理学的に3つのスイッチがあります。
①「触れやすい」=触っていいと分かること
触っていいのか分からないと、人は近づきません。
そのための工夫はとても簡単で
“トレー展示”にするだけでOK”。
- 平置き → 境界が分かりにくい(触りにくい)
- トレイ展示 → “ここにある物は触っていい” が伝わる
特にアクセ作家さんに効果絶大。
②「選びやすい」=違いが見えること
作品の違いが瞬時に分かると、人は選びたくなります。
おすすめの方法は
高さ・色・カテゴリの「差」をつけること。
例:
- シルバー系アクセ:右側
- ゴールド系アクセ:左側
- 揺れるタイプ:上段
- 小ぶりタイプ:下段
違いが一目で分かると、購買意欲が自然と高まります。
③「特別感がある」=理由のある主役を作る
主役の作品を作ると、そこから回遊が始まるため
全体の“見てもらえる率”が上がります。
主役の作り方はシンプルです。
- 高さを出す
- 専用の台に乗せる
- 小さなライトを当てる
- 「人気No.1」POPを添える
これだけで、「つい手に取る導線」が完成します。
■プロの売れ筋ブースがやっている
“視線誘導”テクニック

売れている作家さんほど
「視線の流れ」を意識してブースを作っています。
視線誘導の4大テクニック
① 奥に“高いもの” → 手前に“低いもの”
最も基本で、最も効果が高い方法。
視線が自然に流れてブース全体が美しく見えます。
② ライトや明るい小物で“視線の起点”を作
人は光を見ると立ち止まります。
小型ライトや白い布を使うだけでも印象アップ。
③ 左上に“写真映えアイテム”を置く
Zの法則により、最初に視線が行く場所。
人気作品・高単価品・主役アイテムを置くと売上が伸びます。
④ 作品点数は多くしすぎない
視線が散ると“見る気”がなくなります。
「見える量=売れる量」という考えで、必要以上に詰め込まないのが鉄則。
■今日から真似できる!
売れるレイアウトの実例5パターン(図解つき)
ここでは初心者が“そのまま再現できる”売れる配置を5つ紹介します。
実例①:階段型レイアウト(主役を作る基本形)
木箱を三段にして高低差を作り、主役作品を一番上へ。
視線が自然に上へ流れていき、目立たせたい作品に確実に注目が集まります。
実例②:トレイ集中型(つい手に取る導線)
トレイ3枚を手前に置き、「触ってOK」を示す構成。
アクセサリーや小物に最適で、滞在時間が一番伸びるレイアウト。
実例③:ワイヤーネット壁×棚の見せる型
後ろに“壁”を作ることで世界観が一気に出る。
看板・写真・POPを配置するとブランド性が強まる。
実例④:回遊動線型(右→左の流れを活かす)
右側にPOP、左側に商品を配置。
導線心理をそのままブースに転用した、売れている作家さんの定番構成。
実例⑤:ブランド推し型(世界観固定)
中央にA4フレームでブランド名を配置。
周りを作品でぐるりと囲むと“お店感”が出て、一気にプロの雰囲気に。
■まとめ:売れるレイアウトは
「心理学」で作れる
✔ 視線が流れる方向
✔ 動線の法則
✔ 手に取りたくなる仕掛け
✔ 主役と脇役の作り方
これらはすべて“心理学にもとづいた再現可能なテクニック”です。
「センスがない…」と嘆く必要はありません。
レイアウトは 仕組みを知れば誰でも伸びるスキル だからです。
次回予告(Vol.6)
次回は
「売れるPOPの作り方・配置のコツ」
を徹底解説します。
初心者が最速で売上を伸ばすための“POP作りの型”を公開します。








